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COP28連載①:IKEAやボルボを含む130社が化石燃料の段階的廃止を要請

IKEA、ボルボを含む130以上の企業が、各国政府の首脳に対して、化石燃料の段階的な廃止を求める共同書簡を発表した。*1 11月30日からアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイで行われる国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(UNFCCC COP28)では、各国首脳らが気候変動対策を巡って議論するが、それに先立つ気候変動に対する世界的な取り組みの一環として注目を集めている。

大企業が一団結して動き出す

2023年10月23日、ボルボ、IKEA、ユニリーバ、ネスレ、アストラゼネカを含む130以上の企業が、今後の国連気候変動交渉において、二酸化炭素の回収を伴わない化石燃料の使用を段階的に廃止する世界的な計画を採択するよう各国政府に求める書簡に署名した。

温室効果ガスの実質排出ゼロを提唱するWe Mean Business Coalitionによって調整されたこの書簡には、飲料会社(ハイネケン)から製薬会社(バイエルやアストラゼネカ)、電気通信会社(ボーダフォン・グループ)に至るまで、さまざまな業界で、年間売上高1兆ドル(約150兆円)近くの大企業を代表している。テック業界では、イーベイとヒューレット・パッカード・エンタープライズが名を連ねているが、アップル、グーグル、アマゾンなど、独自の気候変動目標についてかなり声高に主張している他の大手は、署名者リストに含まれていなかった。

移行には政府の政策が必要である

書簡には、「私たちのビジネスは、気候変動による異常気象の増加のコストと影響を受けている。私たちは、再生可能エネルギーによってどんどんクリーンになっている将来のエネルギーを使用していくという議題において、明確な立場を表明する重要な役割を担っている」ことが記された。また署名企業は、「化石燃料の使用を段階的に廃止するために行動を起こし、取り組んでいる」と述べている。

それでも、「この移行を単独で安全かつ効率的に行なうことはできない」と彼らは書いている。だからこそ、各国首脳に対し、再生可能エネルギーの普及を早める政策を打ち出すよう求めているのだ。それは、化石燃料ヘの依存度を減らすための世界的な合意形成がいかに困難な道のりであるかを示している。企業や政府は、気候変動対策に取り組むと闘う努力をますます誇示するようになっているが、その多くは、地球温暖化の原因となっている化石燃料を段階的に廃止するという約束には至っていない

各国首脳は、11月30日から始まるCOP28のためにドバイに集まる。サミットでの主要な議題は、パラダイムシフトで、エネルギー転換を早急に進め、2030年までに排出量を削減することや気候変動資金を変革し、旧来の約束を履行し、資金に関する新たな取り決めの枠組みを設定することとなるだろう。

エネルギー転換のためには各国が化石燃料から脱却する計画に合意できるかどうかが非常に重要な論点だ。2015年に約200カ国が採択したパリ協定は、地球温暖化を産業革命以前より1.5度程度以下に抑えることを約束しているが、合意文章には化石燃料について明確に言及していない。

「化石燃料の廃止が私たちを守る唯一の道」

国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は、「2050年までに石油・ガス生産から段階的に撤退し、世界全体でネット・ゼロ・エミッションを達成する時が来た」と述べている。またボルボのサステナビリティ担当グローバル・ヘッドのアンダース・ケルベリ氏も、

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