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ネットゼロ企業ベンチマーク159社を評価

気候変動に関する世界最大の投資家イニシアチブである「Climate Action 100+」は、世界最大の温室効果ガス排出企業159社の気候変動対策を評価する初の「ネットゼロ企業ベンチマーク」の結果を発表した。

50兆ドル以上の資産を運用する575の機関投資家からなる投資家グループが対象とした企業は、石油・ガス、電気事業、セメント、自動車、航空会社、鉄鋼、化学薬品など、排出量の多い分野を中心としている。日本企業10社(トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、東レ、ダイキン、パナソニック、日本製鐵、日立、ENEOS)も対象になっている。

企業の気候変動対策に関する公約が急速に増加しているにもかかわらず、今回の企業ベンチマークの評価結果が物語るのは、そのほとんどが実行計画などの詳細を欠いていることだ。

企業は、以下の大まかなカテゴリーで評価された。

1- 2050年またはそれ以前に温暖化ガス排出量をゼロにすることへのコミットメント、および短期、中期、長期における目標設定

2- 脱炭素化戦略

3- 排出量削減目標に沿った資本配分

4- 気候変動に関する政策への関与

5- 気候変動に関するガバナンス

6- 気候関連財務情報の開示

ネットゼロ目標だけでは不十分

調査対象となった企業の52%が、2050年またはそれ以前に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという公約を掲げていたが、これらの公約のうち、排出量の全範囲をカバーするものは半分以下にとどまった。また、スコアカードの基準を満たすような短期・中期の目標を掲げている企業はさらに少ない。

例えば、英国の石油会社であるBPは、「総合エネルギー企業」を標榜し、「ネット・ゼロの野望」を掲げている。しかし、BPのネットゼロ計画は、生産した石油を燃やしたときに発生するすべての排出量をカバーしているわけではない。また、BPは短期・中期・長期の目標をある程度設定しているが、いずれも地球温暖化を1.5℃に抑えるほどの野心的な目標ではないと評価された。

脱炭素戦略と政策関与

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