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投資家団体 Climate Action100+:温室効果ガスネットゼロ企業ベンチマークを設定

500以上の機関投資家が参加する投資家団体Climate Action 100+運営委員会は世界最大の温室効果ガス排出企業161社のCEOと取締役会議長に宛てて書簡を送付した。これは温室効果ガス排出量実質ゼロ(ネットゼロ)の達成を目指す事業戦略の導入と、気候変動対策強化の目標設定を企業に対して呼びかけるものだ。また、この書簡では企業がネット・ゼロ企業になるための進捗状況を評価するベンチマークを設定することを通知した。

Climate Action 100+は2017年に発足した。温室効果ガス(GHG)排出量の多い大企業をターゲットとし、投資家としてのエンゲージメント活動を通して排出量の削減を推進する機関投資家団体だ。総運用資産は47兆ドルを超え、500人以上の投資家が企業のガバナンスの改善、CO2排出量の抑制、気候関連の財務情報開示の強化に取り組んでいる。

2021年に発表される予定の「Climate Action 100+ネットゼロ企業ベンチマーク」は、主要な調査機関と協力して、どの企業がネットゼロへの移行をリードしているかを総合的に分析するとともに、投資家が投資・エンゲージメント戦略の情報提供に活用するための指標であり、以下の内容が含まれる。

  1. 野心:2050年までにGHG排出量をゼロにするという野心を設定しているか。
  2. 目的と目標:明確な短期、中期、長期のGHG削減目的または目標が設定されており、1.5℃の地球温暖化軌道に沿ったものであるかどうか。
  3. 脱炭素化戦略:GHG削減目的、目標、野心を実現するための強固な脱炭素化戦略を持っているかどうか。
  4. 資本の整合性:炭素集約的な資産やビジネスラインへの企業の設備投資が、パリ協定の目標とどの程度整合しているか。
  5. 気候政策支援:気候政策を支援する意図を明確にしたコミットメントと一連の開示が企業によって作成されている場合、直接的・間接的なロビー活動がどのようにこの意図に沿ったものであるかを実証しているかどうか。
  6. ガバナンス:GHG削減目的・目標の達成に対して、効果的な取締役会の監督と報酬があるかどうか 。
  7. 移行:従業員、地域社会、その他の利害関係者への影響を考慮した移行プロセスの情報を開示しており、それが会社の計画に盛り込まれているかどうか。
  8. レポーティング:企業の気候変動リスク報告が気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)*の推奨事項と一致しているかどうか。

今回、気候変動への取り組みを重視する投資家団体Climate Action100+は具体的な指標を企業に提示したことになる。投資家団体がネット・ゼロを求める以上、企業にとってはそれに従うことが成長のために賢明だろう。こうしたベンチマークによる、ポジティブな影響が広がることを期待する。

*TCFDは2016年に設立された金融システムの安定化を図る国際的組織。


参考リンク

Climate Action 100+:Climate Action 100+ calls for net-zero business strategies & sets out benchmark of largest corporate emitters

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