ドイツ銀行の資産運用部門DWSグループと同社のサステナブル投資の元責任者との間で起きた論争は、ESG投資商品のグリーンウォッシュに対する懸念の高まりとともに、業界の注目を集めている。
DWSグループのサステナブル投資の元責任者であるデジレ・フィクスラー氏は、DWSが一部の投資商品についてサステナブル投資基準を誇張していたと主張した。その結果、ドイツの金融監督機関であるドイツ連邦金融監督庁(BaFin)は、DWSのマーケティング活動について調査を開始した。また、米国では、証券取引委員会(SEC)と米司法省が、DWSが投資ファンドのESG配慮について投資家を欺いていたかどうかについて調査を開始した。
このような背景から、オックスフォード大学サイード・ビジネススクールのロバート・G・エクルズ教授は、フィクスラー氏と協力して、「サステナブル投資のための7つの原則」をまとめた。グリーンウオッシュを避けて、ESGを投資判断において考慮する投資ファンドを選びたいと考えている個人投資家にとっても、役立つチェックリストになるだろう。
ThinkESGでは、7つの原則を以下のようにまとめてみた。
原則1:明確なESG基準を持つ商品を選ぶ
ESG投資のすべてはここから始まる。現在、ESG商品とは何を意味するのか、規制や業界の慣行による基準はない。欧州連合EUのサステイナブル・ファイナンスに関するディスクロージャー規則はこれに対処するためにESG投資商品を販売する金融機関 に十分な説明を求めているが、ESG投資を先行してきた欧州ですら標準的な定義はまだ存在しない。したがって、資産運用会社は、ESG商品をどのように定義しているかを明確にすることが重要である。明確な説明があることで、顧客は、その商品が自分にとってふさわしいESG商品であるかどうかを判断できる。単に武器産業、石油・ガス、石炭、タバコなどのセクターの除外に基づいて株式投資を行っているのか?除外項目があってもなくても、その業界で「ベスト・イン・クラス」と考えられる全セクターの企業をベースにしているのか?気候変動のような特定の問題の解決や、多様性、公平性、インクルージョンの支援に重点を置いているか。そうであれば、その目標を証明するために、どのような指標を用いているか。ここで重要なのは、これらの指標が信頼できるデータソースに基づいており、独立して検証できるものであることであり、ポートフォリオマネジャーが数字を正しく出すために利用できる指標であることです。重要なのは、これらの基準が明確に定義され、透明性を持って伝えられていることであり、ファンド募集の目論見書の奥深くまで確認せずにわかりやすく説明されていること。
原則2:ESGデータを確認する
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