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渋沢栄一の玄孫と考える「社会を変えるESG投資」

今年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公、「日本の資本主義の父」として新一万円札の顔に選ばれた渋沢栄一。今回のThinkESG特別インタビューでは、渋沢栄一の玄孫にあたり、コモンズ投信 取締役会長 兼 ESG最高責任者である渋澤健氏を迎え、「社会を変えるESG投資」をテーマに対談をした。

第一部:「見たい未来を創るための投資

投資とは何か?

渋澤:投資は「資金を投げる」と書くので、多くの日本人にとって大切なお金をどこかに投げてしまう、というイメージがあると思います。でも、英語で表現すると内側(in)とチョッキ(vest)を組み合わせた"invest"となります。つまり、可視範囲である生活圏の中から、色んな成長を呼び込むことができる引換券のようなものがあって、それを自分のベストのポケットに身につけている状態が投資の本質だと思うんですね。遠いところから色んな成長を呼び寄せる、そして身につけると。

古野:"the future is what you invest in"(投資から未来が生まれる)という友人の言葉があり、的確に投資を表現していると思います。どんな未来を創りたいか、実際に投資する際は重視しています。

渋澤:その観点は大事ですよね。教育って何のためですかって言われたら未来のためではないですか。自分の知らない知識を呼び寄せて身につけること。先ほどの"invest"と同じです。僕は自分が見たい将来のためにお金を託す寄付も同じだと考えています。

インパクト投資・ESG投資と出会ったきっかけ

渋澤:投資をしようと思ったのは子供が生まれたことがきっかけでしたね。抱いている、この小さな赤ちゃんが、これから成長し、そして、子供が二十歳になった時の備えを何もしていませんでした。将来大きくなった子供が夢に向かってチャレンジするはず。その応援資金のために毎月少額のお金を子供の名義で積立始めたことが自分の長期投資との出会いでした。

古野:私はオーストラリアで育ったのですが、友達と投資の話をすることも普通にありました。日本と比べると日常的でしたね。大学での国際政治学の専攻や、オーストラリアの環境省気候変動庁での経験を通して、環境と経済の両立についてずっと関心を抱いていました。経済をどのように環境問題の解決に役立てるか。その糸口として投資に興味を持ち始めました。

ESG投資の特殊な点とは?なぜ今注目されているのか?

古野:環境問題が世界的に深刻化しているのが大きな要因だと考えています。以前はESGのうちの、"G"(企業統治)が注目されていました。温暖化が深刻化した状態で持続的な経済発展は見込めず、ビジネスが成り立ちません。そこで、年金基金や保険会社といった機関投資家がサステナビリティを重視するようになっているのではないかと思います。SDGsが誕生して以来、"S"(社会)の観点から企業の社会責任も問われています。

渋澤:ESGが注目を集めた理由は2つあると考えています。まず、2005年ごろにESG投資が登場しましたが、日本では主流とは言えませんでした。しかし、5年ほど前に日本株式の最大な投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が方針としてESG投資を打ち出してから、一気に雰囲気が変わり、重視する企業が増えました。

もう一つの理由としては、コロナ禍が影響していると思います。Gというのは会社の収益性の割合、女性職員の人数というように、数値化しやすく、可視化が容易です。一方で、EとSになるとそうではありません。Eにおいて、例えば、専門家がCO2の排出量を見て現状を理解できても、一般人にとっては想像がしにくいですよね。Sになると測る対象が不透明になってしまいます。

先ほどお話したように、ESG投資は機関投資家によって流れができました。機関投資家は自分たちのお金ではなくて他人から託されている資金を運用しています。そこで、どのような方針でお金を運用しているのか説明責任が生まれます。SはEやGと比べて説明がしにくかったです。しかし、このコロナ禍をきっかけに、Sが滞ってしまうと環境のみならずエコノミーのEも止まってしまうという認識が広がっており、その重要性が理解され始めているのではないかと考えています。

ESG投資を世界に広めるには?

渋澤:安い株価で買って、高い株価で売るという従来の投資の概念から、社会に良いインパクトを与えるものとしての捉え方にも変化しています。若い世代で「ESG投資は当然だ」という認識が広まることが、年上の世代に影響を与えることになるでしょう。ESG投資は未来を創るための投資です。その主役である若手現役世代が起こし始めているうねりがより強いものになれば、社会も変わると思います。

古野:z世代、y世代が投資する時にはESG投資は当たり前のものになりつつあるでしょう。今後、機関投資家だけでなく一般投資家の需要が増えないと、市場全体への浸透は難しいと考えています。ThinkESGでは個人投資家によるESG投資がなぜ重要なのか、どのように銘柄や運用会社を選べばいいのか、といった情報を届けています。

第二部:ESG投資実践にあたってのアドバイス

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