カナダの金融情報誌「コーポレート・ナイツ」は、世界で最も持続可能な企業100社(Global 100) をまとめた報告書の2022年版を発表した。
「Global 100」とは、世界のあらゆる業界の大企業(2022年は6,914社)を対象に、環境・社会・ガバナンス(ESG)などの観点から持続可能性を評価し、上位100社を選出しているものである。 例年、「Global 100」はスイスのダボスで開催される世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の中で発表されているが、本年はコーポレートナイツ社が1月19日に開催したオンライン会合の中で発表された。
今回の報告書では、サステイナブルな取り組みが企業により一層の利益をもたらす結果となったという。例えば、同社のランク100位内企業は環境に配慮した製品・サービスから収益の47%を稼いでいるのに対し、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)の構成企業は30%にすぎないという。
また、2021年にはGlobal 100企業のうち60社がScience Based Targetsイニシアチブに署名し、排出削減をパリ協定の目標に合わせた。今年、この数字は65社に増加。また、調査対象となったGlobal 100以外の企業のグリーン投資は2021年の報告書で22%から今年は34%に増加したが、Global 100社は1年前の3分の1から平均して48%をグリーン投資に力を注ぎ、脱炭素化やサスティナブルな商品開発を加速させている。
コーポレート・ナイツ社は今年、Global 100企業にA+からD-までの評価を与えるレーティング方式を導入した。この評価は、コーポレート・ナイツの23の主要指標に基づく企業の総合得点から換算されたものである。Global 100に選出された企業は、いずれも平均を大きく上回るサステナビリティを実践している。
今年の指数では、電気通信、チップメーカー、コンピューターメーカー、ビジネスサービスプロバイダーなど、あらゆる種類のハイテク企業が上位を占めている。また、Global 100には、米国上場企業のEvoqua Water TechnologiesやBeijing Enterprises Water Groupなど17社が新たにランクインしており、世界中で水問題の重要性が高まっていることがうかがえる。後者は、サンパワー、信義ソーラー・ホールディングス、ロンギ・グリーンエナジーを含む多くの中国企業の一つで、おそらく世界最大の炭素排出国で持続可能性が定着し始めていることを示している。Global 100には、欧州(41社)と米州(39社)の企業が上位を占め、アジア太平洋地域からは20社が構成銘柄に選ばれた。日本勢は3社のみがランクイン。
今年1位を獲得したのは、デンマークの風力発電機の設計、製造、販売会社であるべスタス・ウィンド・システムズ。前年の21位からの急上昇である。2位はデンマークのバイオテクノロジー企業、クリスチャン・ハンセン。3位は3Dデザイン、エンジニアリング、エンターテインメントソフトウェアを手掛ける米国のオートデスクだった。それぞれ前年の24位、43位から上昇した。
日本からは積水化学の22位(前年51位)が最高位。他ににランクインした日本企業は、
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