世界の風力・太陽光発電建設、中国シェア6割以上
国際的なエネルギー情勢を研究するシンクタンクであるグローバル・エネルギー・モニター(GEM)が、風力発電および太陽光発電施設の世界的なデータセットを解析したところ、中国の風力・太陽光発電建設が世界全体の64%を占めていることが判明した。*1 中国は339ギガワットの大規模太陽光発電と風力発電を建設中であり、その容量は世界の他の国すべての2倍以上である。 太陽光発電と風力発電は現在、中国の総発電容量の37%を占めており、2024年には石炭を上回る。 中国の急速な自然エネルギーの増加は、2030年以前に炭素排 ...
パリオリンピック2024、史上最もサステナブルな大会に変身?
7月26日に開幕するパリ2024オリンピック競技大会は、サステナビリティにおける新たな基準を打ち立てる、と主催者側は約束している。 しかし、800のスポーツイベント、15,000人のアスリート、45,000人のボランティア、1,300万食の食事など、主催者側はサステナビリティの野望のスケールの大きさを理解している。実際、彼らはこの野望を人類の「最大の挑戦」と表現している*1。 ここでは、パリ大会がどのように持続可能性を優先させるのか、そして、他の大会の模範となる可能性について紹介する。 5つのサステナブル ...
9割のプラスチックは、実はリサイクルされていない?
世界全体で約90%のプラスチックがリサイクルされていない サステナブル・ファイナンスに特化した非営利シンクタンク、プラネット・トラッカーが行なった最新の調査によると、プラスチック製品が広くリサイクルされているという一般的な認識は誤りであり、実際には世界全体で約90%のプラスチックがリサイクルされていないこと、またプラスチックバリューチェーンに依存している企業の時価総額148社の企業の中に日本企業が7社含まれるという事実が明らかになった。*1 この調査では、プラスチック産業が、プラスチック汚染の解決策として ...
気候変動に関するみんなの投票
国連開発計画(UNDP)が実施した気候変動に関する世界最大の世論調査「気候変動に関するみんなの投票 (Peoples' Climate Vote 2024)」第2版の結果が発表された。77か国、87言語、73,000人が8ヶ月間にわたって調査を受けており、これは、50カ国、17言語を対象とした2021年の第1回よりも規模が大きく、より包括的な調査となった。*1 UNDPの報告書によると、記録的な猛暑と気候への影響を背景に、世界全体、そして調査対象国の80%において、過半数の人々が気候変動への懸念を強めてい ...
日鉄、気候変動関連の株主提案に対する賛成票が過去最大に
世界第4位の鉄鋼メーカーである日本製鉄株式会社(日鉄)の年次株主総会において、アクティビスト株主や欧州の機関投資家による気候変動に関連する3つの株主提案は否決されたものの、予想以上に大きな支持が集まった。 6月21日に東京都内で開催された同社の第100回定時株主総会での議決権行使の結果が25日に発表された: 【第6議案】21.48%の株主が、一般社団法人コーポレート・アクション・ジャパン(CAJ)と環境NGOオーストラリア企業責任センター(ACCR)が提出した、日本製鉄に対し、スコープ1、2、3 の排出量 ...
グーグル、カーボンフリー・エネルギーで全事業運営、日本国内でも
グーグルは、日本で初めてとなる太陽光発電の電力購入契約(PPA)を2件締結し、日本の送電網に60メガワットのクリーンエネルギー容量を追加する新規太陽光発電プロジェクトの建設を支援すると発表した。*1 この取り組みは、日本国内のデータセンターの運営を支えると同時に、日本が進めるクリーンエネルギー政策にも沿ったものである。 グーグルのコミットメント グーグルによると、この新しい契約は、2030年までに24時間365日カーボンフリーのエネルギー(CFE)で全事業の電力を賄うというグーグルのコミットメントに貢献す ...
EU、気候テック人材10万人を育成する初の「ネットゼロアカデミー」を設立
欧州委員会(EC)は、クライメート・テック(気候変動関連技術)バリューチェーン向けに10万人の労働者を訓練するための「ネットゼロアカデミー」の第一弾として「欧州ソーラーアカデミー」を発足した*1。 今後3年間で太陽光発電のバリューチェーンにおける労働力と技能のギャップを埋めることを目指している。同アカデミーは、設計から製造、設置、メンテナンスまでの産業サプライチェーン全体で労働者を訓練する予定だ。 ECエネルギー担当委員のカドリ・シムソン氏は次のように述べている: 「太陽光発電は欧州のエネルギー移行の中心 ...
記録的な暑さの5月、気候変動対策への呼びかけに拍車
観測史上最も暑い 欧州連合(EU)の気象情報機関コペルニクス気候変動サービス(C3S)のデータによると、2024年5月は観測史上最も暑く、12ヶ月連続で世界平均気温が過去最高を記録した。 このC3Sのデータは、国連事務総長が緊急行動を呼びかける中で引用されたもので、気候変動の側面を詳述した2つの新しい報告書が発表された。*1 2024年5月の世界平均気温は、1991-2020年平均を0.65℃、1850-1900年産業革命前平均を1.52℃上回り、産業革命前平均を1.5℃上回ったのは11ヶ月連続(2023 ...
バイデン政権、炭素市場への責任ある参加のための7つの新原則を発表
バイデン政権は、自主的な炭素市場に関する7つの新原則を発表し、連邦政府の気候変動アドバイザーや農務省、エネルギー省、財務省の官房長官らが署名した。この原則は、最近論争の的になっている自主的な炭素市場(VCM)への信頼を回復することを目的としている。 5月28日に発表された同原則は、企業のCO2オフセットクレームの信頼性への懸念が出ていることを認めながらも、炭素市場への投資は米国の気候変動目標に向けて「大きな前進をもたらす」ことができると述べている*1。 VCM市場では、企業が新たに植林するなど、温室効果ガ ...
グローバルEV市場、欧・中先行からマス市場へ
世界における電動モビリティの最新動向を特定・評価する年次刊行物である「グローバルEVアウトルック」の2024年版が国際エネルギー機関(IEA)から発行された。*1 本レポートでは、過去のデータ分析と2035年までの予測を組み合わせ、主要市場や新興市場における電気自動車や充電インフラの導入、バッテリー需要、投資動向、関連政策の進展など、注目すべき主要分野を検証している。また、電気自動車の普及が電力や石油の消費、温室効果ガスの排出にどのような影響を与えるかについても考察や、電気自動車のリーズナブルさ、中古市場 ...