COP28、石油・ガス・石炭からの段階的な脱却で歴史的合意
2週間にわたる激しい議論と交渉の末、約200カ国の代表が12月13日、国連気候変動会議COP28の最終日に画期的な合意に達し、気候変動の悪影響を緩和するために石油、ガス、石炭の使用を段階的に削減することを誓約した。 アラブ首長国連邦(UAE)のCOP28議長であり、国営石油会社のCEOであるスルタン・アル・ジャベール氏が主宰するこの合意は、12月13日にドバイで最終決定され、国際社会が化石燃料への依存から脱却する決意で一致していることを、世界中の政策立案者や投資家に強いメッセージとして発信した。 サミット ...
【COP28連載⑦】118カ国が2030年までに再エネを3倍に拡大
米国、欧州加盟国、日本を含む118カ国が、2030年までに再生可能エネルギーの容量を世界全体で3倍に拡大し、エネルギー効率の改善率を毎年倍増することを誓約した。この合意は、世界の首脳らがドバイで開催されている第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)の3日目に集まった際に発表された。 署名国はまた、再生可能エネルギーとエネルギー効率に関する野心的な国家政策を採択し、この野心を「国が決定する貢献(NDC)」*に反映させること、都市や州政府と協力すること、主要なツールとエネルギー効率改善に焦点を当 ...
COP28開幕:重要な争点と成功指標
本日11月30日からドバイで開催される国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)は、初めて石油輸出国機構(OPEC)加盟国であるアラブ首長国連邦が主催国となる。この会議の議長は石油会社のCEOが務めることになっており、グリーンウォッシュや利益相反が懸念されている。ドバイでは、パリ協定の下での世界的な気候変動対策に関する最初の世界的なストックテイクが行われる予定であり、パリ協定に沿ってこれまで温室効果ガス排出量を十分に削減してこなかった世界の失敗を直視し、軌道修正のための行動を加速させる機会となる ...
【COP28連載⑤】米中の気候変動合意、再エネを30年までに3倍に
11月15日に行われたアメリカのバイデン大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談が行われた。*1 首脳会談に先駆け、ジョン・ケリー米国気候担当大統領特使と謝振華中国気候変動担当特使は、気候変動対策に関する米中共同声明を発表した。*2 その共同声明の主な内容について取り上げる。 両国は、停止していた気候変動対策を話し合う作業部会の再開、メタンガス削減などの協力関係を強化することを発表し、パリ協定の目標達成に向けて世界を動かしていく意思を見せた。さらに2030年までに世界の再生可能エネルギーの導入量を3倍増 ...
【COP28連載④】EU議会、2025年までに化石燃料補助金を世界的に廃止するよう要求
EU議会は、パリ協定の実施状況を検証する国連気候変動会議COP28に向けた要求事項を採択した。 賛成462票、反対134票、棄権30票で採択された同議会決議は、国連気候変動会議COP28に向けたEUの戦略的目標をまとめたものである。 同決議案は、「できるだけ早く、遅くとも2025年までに」、国レベル、EUレベル、世界レベルで、すべての直接的および間接的な化石燃料補助金の廃止を求めている。 また、2030年までに再生可能エネルギーを3倍、エネルギー効率を2倍にするという世界的な目標を支持するとともに、化石燃 ...
【COP28連載③】世界の化石燃料生産計画、パリ協定と矛盾する
11月8日、国連環境計画(UNEP)などが2023「生産ギャップ報告書」を発表した。*1 報告書によれば、2030年時点での化石燃料生産量の予測は、パリ協定の1.5度目標を達成するシナリオ値の2倍であり、適切かつ公平なエネルギー転換に疑問が生じている。今月末、11月30日からアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイで国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)が実施されるが、化石燃料の段階的な廃止がどのように各国首脳らに議論されるか注目される。 「生産ギャップ報告書」とは この報告書は2019年に初めて ...
【COP28連載②】世界のCO2排出量は2030年までにわずか2%減少 - 国連
国連は11月12日に発表した最新の報告書で、各国の気候変動対策計画では、2030年までに二酸化炭素排出量を2019年のレベルからわずか2%削減すると推定し、温暖化を1.5℃に抑えるために必要な43%の削減にはほど遠いと警告した。 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の事務局長サイモン・スティール氏は、毎年恒例の気候変動に関する評価で、世界はパリ協定の目標達成から「大きく外れている」と指摘し、今月ドバイで開催される国連気候変動会議(COP28)で、すでに増加する洪水、熱波、暴風雨に悩まされている世界にとっ ...
COP28連載①:IKEAやボルボを含む130社が化石燃料の段階的廃止を要請
IKEA、ボルボを含む130以上の企業が、各国政府の首脳に対して、化石燃料の段階的な廃止を求める共同書簡を発表した。*1 11月30日からアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイで行われる国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(UNFCCC COP28)では、各国首脳らが気候変動対策を巡って議論するが、それに先立つ気候変動に対する世界的な取り組みの一環として注目を集めている。 大企業が一団結して動き出す 2023年10月23日、ボルボ、IKEA、ユニリーバ、ネスレ、アストラゼネカを含む130以上の企業が、今後の ...
気候テック投資、四半期で63%急増
テクノロジーで気候変動対策に取り組む「気候テック」企業は、この2年間で最も資金調達に成功した四半期となり、脱炭素化や低炭素化に取り組む様々なスタートアップに対して166億ドル(約2兆4800億円)の投資を獲得した。 2023年第3四半期(7−9月)を対象とし、11月2日に発表されたブルームバーグ・ニューエネルギー・ファイナンス(BNEF)のレポートは、エネルギー、運輸、建設、産業、農業など様々な分野にまたがる気候変動対策に資する技術の包括的なレビューを提供している。また、それらの分野への投資も追跡しており ...
リチウム vs ナトリウム、次世代電池🔋の勝者は?
現在リチウムや他の電池材料の供給が限られており、価格も高いことから、代替電池の研究が進められている。ナトリウムイオン電池は、現在最も開発が進んでいる技術のひとつであり、近い将来、多くの用途で実用できる可能性がある。しかし、新しい電池技術の商業化を成功させるには何年もの研究が必要である。それに加えて需要が加速しているため、中期的な将来には電池が不足するリスクがある。 ナトリウムイオン電池技術は商業的に利用可能 中国の寧徳に本社を置く世界最大級のリチウム電池メーカーであるCATL*1は、乗用車用EVに使用され ...