大手銀のエネルギー貸出、MUFGら化石燃料へ回帰
ブルームバーグNEF(BNEF)によると、世界の大手銀行が2025年に取りまとめたエネルギー供給向けの投融資は、化石燃料向け1米ドルに対して低炭素エネルギー向けが0.97米ドルだった。低炭素エネルギー向けの資金供給額は過去5年で最高の1兆1,500億米ドル(約181兆円)に伸びたが、化石燃料向けも増えた。世界的な気候変動目標達成に必要とされる「エネルギー供給バンキング比率(ESBR)」(低炭素エネルギーと化石燃料向けの資金供給比率)の平均4対1にはなお遠い。 エネルギー供給バンキング比率(ESBR)の推移 ...
クライメート・ウイークNYC、再エネ3倍と電化の加速を訴える
2026年9月21日、ニューヨークで開催中のクライメート・ウィークNYCで、各国の政府首脳や企業のCEOら20人を超えるリーダーがクリーンな電化の加速と2030年までの再生可能エネルギー設備容量の3倍化を、企業と政府の戦略の柱に据えるべきだと訴えた。COP31議長国は2035年の電化率35%を掲げる。 再エネ3倍と電化を戦略の柱に 各国の政府首脳、企業のCEO、市民社会のリーダーらが、クライメート・ウィークNYC(Climate Week NYC)2026の場で次のように訴えた。クリーンな電化の加速と、2 ...
IEA特別報告書、世界の電化率目標が射程に
国際エネルギー機関(IEA)は2026年9月22日、世界の電化に関する特別報告書を公表した。現在利用可能な技術と、現在の供給ショックが発生する前の水準のエネルギー価格を前提とした場合、2035年までに世界の最終エネルギー消費量の33%を、コスト効率良く電力で賄うことが可能になると結論づけている。これは現在の約23%から大幅に増加する予測だ。ホルムズ海峡のエネルギー危機を背景にエネルギー価格が現在の水準で推移すれば、世界のエネルギー消費のうち、さらに多くの部分を電化することが費用対効果の面で有利になるだろう ...
サステナブル投資10年で17兆ドル、成果は大きく分岐
ベイン・アンド・カンパニーは「CEO サステナビリティ・ガイド2026」で、サステナブル投資が「分岐の時代」に入ったとする論考を公表した。この結論は世界経済フォーラムが最近公開したグローバルCSO調査でも同様な見解が示されているトレンドだ。ベインの分析によると、過去10年のサステナブル投資の総額約17兆米ドルの内9割近くが再生可能エネルギー・建築物・モビリティに集中し、収益も排出削減の成果も大きく分かれた。不確実性が高まる情勢の中、CEOに求められるのは確実性ではなく確信だという。*1 「サステナビリティ ...
WEFのCSO調査、「グリーン分岐」の時代に突入
世界経済フォーラム(WEF)は2026年9月15日、最高サステナビリティ責任者(CSO)のグローバルネットワークの103人への調査をまとめた初の報告書を公表した。6割超がサステナビリティの世界的な前進が今後1年維持か加速と見る一方、政策の反転と短期の業績圧力が最大の制約に挙がり、脱炭素社会への移行は「グリーン分岐」の局面に入ったと位置づけた。AIと気候変動への適応の扱いも焦点となった。*1 103人の回答が映す「実行の局面」 WEFの報告書「Chief Sustainability Officers' O ...
ネパール 洪水の損失・損害と気候正義の論点
2026年8月、ネパールのヒマラヤで氷と岩盤が崩れた。鉄砲水が1,300人を超える命を奪った。ネパールの外相は主要排出国を名指し、援助から正義と補償へと訴えた。だが、危険な場所に築かれたインフラが被害を広げたとの指摘もある。ネパールでは、気候変動の責任と開発の責任が重なる。この災害から、損失・損害基金の現実と気候正義とのギャップを読み解く。 ヒマラヤの崩落が引き起こした大洪水 2026年8月26日午前8時40分、ネパール北部ラスワ郡の上流域で、氷と岩盤が一体となって崩れ落ちた。ICIMODの専門家によると ...
世界の気温上昇1.5℃超過へ、国連環境計画が警告
国連環境計画(UNEP)は新たな報告書「Limiting Overshoot」で、世界の気温上昇が産業革命前の平均に比べて今後数年のうちに1.5℃を超え、最も楽観的なシナリオでも1.8℃でピークに達すると警告した。一方、急速な排出削減と二酸化炭素除去で1.5℃未満へ戻す道は残るとし、ネットゼロは通過点にすぎないと位置づけた。 +1.5℃を超えても「戻る道」は残る UNEPの新たな報告書によると、世界の気温上昇はおそらく今後数年のうちに1.5℃の閾値を越え、人々と生態系はますます危険な影響にさらされる。その ...
ゲイツ氏、AI開発に大幅な制限を提言「制御を失いうる」
マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏は8月26日、6,000語のエッセイで、人工知能(AI)には大幅な制限が必要だと論じた。*1 AI・ロボットへの課税と人間専用の職域の確保を提案し、失業が急増し社会の信頼が損なわれる前に行動する機会が指導者たちにはあると訴える。AIの進歩を世界規模で減速させる計画は現実には成立しないとの見立ても示した上で、社会への重大なリスクを認識し、恩恵が確保されるための移行計画が必要と主張する。ゲイツ氏以外にも、業界リーダーもAIに抑制がかからない時点に突入する手前、国際的な枠 ...
データセンターの間接水消費、直接消費の20倍超
データセンターの水問題は、施設内でサーバーを冷やす冷却水に議論が集中してきた。しかし米国のサステナブル投資団体セリーズの新たな分析は、はるかに大きな負荷が別の場所にあることを示す。データセンターへ電力を送る発電所で使われる水である。米7州の推計値は2024年に3兆4,000億ガロン(約12.9兆リットル)に達した。この水消費量は、ロサンゼルス、フェニックス、ワシントンD.C.の合計の約12倍に当たる。 議論はデータセンターの「施設内の冷却水」に偏っていた データセンターの水使用をめぐる議論は、施設内のサー ...
米国サステナブルファンドの資金流入が4年ぶりプラス転換
2026年第2四半期、米国のサステナブルファンド市場において2022年初め以来となる約4年ぶりのプラスの純資金流入が記録された。14四半期連続の流出を経て約30億ドル(約4800億円)が流入し、資産残高は過去最高の約4000億ドル(約64兆円)に達した。*1 本記事では、この歴史的な転換を牽引した電力インフラ需要、パッシブ戦略の台頭、そして世界市場の動向まで、最新データを網羅して詳細に解説する。 記録的な資産残高と米国市場の転換 2026年第2四半期は、米国のサステナブル投資業界にとって注目すべき瞬間とな ...









