米国の大手航空会社を代表する業界団体「Airlines for American(A4A)」は加盟航空会社が2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目指し、業界内および政府指導者と協力して取り組むことを発表した。
その一環として、デルタ航空、アメリカン航空、ユナイテッド航空などを含むA4A加盟航空会社は、2030年に20億ガロンの持続可能な航空機用燃料(SAF)を米国の航空機運航に利用できるよう、商業的に利用可能なSAFの生産および展開の迅速な拡大に向けて、関係者と協力していくことを発表した。
A4Aは、世界が直面している気候変動問題の解決に取り組むために、さらに大胆で重要なアクションを起こす必要があるという。しかしA4Aのメンバー企業は野心的な気候変動目標にコミットしている一方で、米国連邦政府、州政府、地方政府が、技術、オペレーション、インフラ、SAFの分野におけるイノベーション、スケールアップ、コスト競争力、展開を可能にする支援政策やプログラムを実施する必要があると強調する。さらに、業界が排出削減対策に投資することを制限するような政策を実施しないことが重要であるとしている。
A4Aのメンバーの中には、すでにネットゼロの目標を設定している航空会社もあるが、業界全体で取り組むことは欧州の航空会社業界に続く。航空会社はいままでに高い燃料効率を求められていたが、ネットゼロを達成するために、技術、SAF、運用、インフラをさらに進化させることは不可欠だ。2030年のSAF目標を達成するだけでも、2030年までの持続可能な燃料の生産量を年平均84%増加させる必要があるという。日本の航空業界の技術力とネットゼロ達成に向けた取り組みも試される。
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