アジア太平洋地域では、複数の規制当局が金融業界でのグリーンウォッシュを深刻な問題として指摘し、その監視が加速している。
そんな中、英国に本部を置く環境法慈善団体ClientEarthと、アジアの機関投資家の気候変動への取り組みを促進することを目的とした業界団体である気候変動に関するアジア投資家グループ(AIGCC)は、グリーンウオッシュに取り組むためのガイドを発表した。
金融業界でのグリーンウオッシュ問題
金融業界では、グリーンウォッシュとは一般に、金融商品、投資戦略、または企業が環境または気候変動対応にどの範囲でどの程度の影響を及ぼすかについて、虚偽、欺瞞的、または誤解を招くような記述や表現を行うことを指す。
これは、企業が環境に対して正味プラスまたは正味中立の影響を与えることを示唆する場合に発生する、 ビジネスモデルや活動、製品が、実際に環境に害を与える可能性がある場合にも当てはまる。
グリーンウオッシュ・ガイドの内容
先日公開された「グリーンウォッシングとそれを回避する方法: アジアの金融業界の入門ガイド」は、グリーンウオッシュの新たな形態や異なる規制の概要など、グリーンウオッシュに対抗するための実践的な情報を提供している。
「グリーン」であるとの主張について、世界的なコンセンサスと市場の明確性がないため、グリーンウオッシュが増加している。シンガポールの証券取引所SGXグループのサステナブル・ファイナンスの責任者であるヘリー・チョー氏は、「放置すれば、長期的なリスクをもたらし、気候変動との戦いの進展を阻害する可能性があります」と述べている。
また、欧州のように、科学的知見に基づいて持続可能な経済活動を分類するような「グリーンタクソノミー」が市場で明確になっていないため、善意の投資家がグリーンウオッシュの疑惑から免れないケースもある。
グリーンウオッシュを避けるための5つの推奨事項
グリーンウオッシュガイドでは、金融機関や資産運用会社がグリーンウオッシュから身を守るために、5つの重要な推奨事項を示している。
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