バヌアツ大統領のニケニケ・ヴロバラヴは9月23日の国連総会にて各国に対し、新規の化石燃料の採掘の停止と、石油・石炭・天然ガスから持続可能なエネルギー源への公正な移行を目的とした国際的な枠組みの制定を呼びかけ、初めて国際の場で本条約の制定を訴えた国家となった。
化石燃料拡散防止条約
石炭・石油・天然ガスに由来する二酸化炭素はここ10年間における二酸化炭素の総排出量の86%を占め、気候危機の主要な要因であることが明らかとなっている。一方、パリ協定など気候変動に対する国際的な条約は化石燃料産業に直接的な対処策を講じていない。
そこで、化石燃料拡散防止条約は核不拡散条約に準え、化石燃料使用の段階的な停止と迅速な気候変動対策の実現を進めるためのイニシアチブとして生まれた。
本条約は以下の三つの柱に基づいている。
- < 拡散防止 > 化石燃料の探査と生産の中止によって石炭・石油・天然ガスの拡散を防止
- < 世界的な縮小 > パリ協定の1.5℃目標に沿って既存の資源備蓄と生産を段階的に削減
- < 平和的な移行 > 化石燃料産業に依存する労働者・共同体・国家に対し迅速な解決策の提案と公正な移行を実現する
化石燃料拡散防止条約はロンドン、リマ、ロサンゼルス、コルカタ、パリ、ハワイ州議会など、すでに世界中の65以上の都市や地方政府によって支持され、近年では、バチカン市国や世界保健機関(WHO)もこの提案を支持している。
バヌアツと気候変動への闘い
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