気候変動

ESGニュース

2025/6/11

世界気象機関、今後5年間の気温は記録的な高温で推移

世界気象機関(WMO)の最新の気候予測によると、世界の平均気温は今後5年間、記録的なレベルかそれに近い状態が続くと予想される*1。WMOは温暖化に伴う気候リスクは社会、経済、持続可能な開発への影響を増大させると警鐘を鳴らしている。 2024年は、世界の地表面付近気温が1850~1900年平均を1.55±0.13℃上回り、175年間の観測記録の中で最も暖かい年になったとWMOが3月に報告されているばかりだ。今回の調査報告書で、気候変動の痕跡がさらに浮き彫りになる。 WMOによる主な予測 今後5年間のうち少な ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定 カーボンクレジット

2025/6/1

石炭火力の早期廃止を促すトランジション・クレジット

世界最大のカーボンクレジット認証機関であるヴェラ(英:Verra)は、石炭火力発電所の早期廃止と再生可能エネルギーへの代替を可能にするプロジェクトからカーボンクレジットを発行する新たな方法論を5月上旬に承認した。*1 注目を集めるトランジション・クレジット これは、世界的なエネルギー転換における重要なボトルネックのひとつである石炭火力の段階的廃止に取り組むための待望の方法論である。特に、開発途上国の石炭火力発電所には通常数十年の運転寿命が残されているため、これらのアセットを予定より早く廃止させるにはコスト ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2025/5/17

シンガポール政府投資公社、気候変動適応への投資機会に着目

気候変動適応は避けられないニーズであり、また投資機会でもある。気候変動による物理的影響が深刻化する中で、気候変動適応は脱炭素化と並び立つ、重要かつ補完的な投資テーマとして台頭している。本記事では、気候変動の物理的影響に対応する「気候変動適応(climate adaptation)」への投資が、今後どのような規模で拡大し、どのような資本の動員が必要となるかについて、シンガポール政府投資公社による最新の調査を基に詳しく解説する。 気候変動適応が浮上する新たな投資テーマ 気候変動による物理的影響が深刻化する中で ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2025/5/9

米国、外国援助8割削減へ:国連は大改革に直面

トランプ政権は2026会計年度の予算案を明らかにした。予算の概要によれば、新たな国際援助支出はわずか96億ドルで、過去に承認された資金の削減を考慮すると83.7%の削減となる。*1 この予算が成立すれば、ドナルド・トランプ米大統領の予算要求は、開発援助や経済支援基金などの資金枠全体が廃止されるか、29億ドルの新しい「アメリカ第一の機会基金」に統合されることを意味する。 勝ち組は少なく、アメリカの国際開発金融公社が28億ドル、世界銀行の国際開発協会が3年間で32億ドルが約束されている。後者はジョー・バイデン ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定 Uncategorized

2025/5/4

化石燃料関連企業が引き起こした気候損害は約4,000兆円

世界111の化石燃料関連企業による排出が、1991年から2020年の間に約28兆ドル(約4,000兆円)相当の熱波被害をもたらしたとする研究結果が発表された。研究では、排出量ごとの気温上昇や経済損失が企業別に数値化され、5社だけで全体の3分の1を占めることが明らかになった。この手法は、企業ごとの「気候変動責任」※を科学的に裏付ける新たな証拠として注目されている。 ※気候変動責任とは?気候変動責任(climate liability)とは、気候変動に起因する損害に対する法的責任のことで、過去と将来の損害の両 ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2025/4/27

英国政府、カーボンクレジット使用原則について意見募集  

英国政府は、カーボンクレジットの使用に関する新たな原則とガイドラインを提案し、意見募集を開始した。本記事では、英国政府の方針を中心に、企業の脱炭素への取り組みを評価する最新動向を詳しく紹介する。 英国政府、カーボンクレジット使用に関する6つの原則を提案 英国政府は、企業やその他の組織がカーボンクレジットを利用して気候変動戦略を推進する方法に関する原則とガイドラインの意見募集を4月17日に開始した。*1 昨年11月、政府は企業によるカーボンおよびネイチャークレジットの活用に「明確で適切な役割」があると認めた ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2025/4/13

IMO、世界海運のネットゼロ規制を承認

国際海事機関(IMO)は、2050年までに船舶からの温室効果ガス(GHG)排出量 をネットゼロにすることを目指し、世界全体で船舶からのGHG 排出量を削減する法的拘束力のある枠組みの確立に向け、新たな重要な一歩を踏み出した。  *1 IMOのネット・ゼロ・フレームワークは、産業セクター全体にわたる強制的な排出制限とカーボン・プライシングを組み合わせた世界初のものである。  2025年4月7日から11日にかけて開催された海洋環境保護委員会(MEPC)*の第83回会合(MEPC83)で承認されたこの措置には、 ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2025/4/12

ウォール街、脱炭素化の後退で+3℃の世界を想定

ウォール街の大手金融機関は、190カ国以上が合意した気温上昇の上限を大幅に超える、深刻な地球温暖化の未来を既成事実として捉えつつある。各社はこれに備え、気候変動によるリスクとチャンスの両面を見据えたビジネス戦略を構築している。 パリ協定を超える気温上昇を織り込む金融業界 業界関係者向けの文書から明らかになったのは、ウォール街の大手金融機関が、2015年に190カ国以上が合意したパリ協定が定める世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して、2℃より十分低く抑え、1.5℃度に抑制する努力を追求する目標を大きく超 ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2025/3/30

地球気候の現状 2024年:異常気象が大混乱を招く

2025年3月、世界気象機関(WMO)は『State of the Global Climate 2024(地球気候の現状 2024年版)』を発表した。このレポートは、観測史上最も高温となった2024年の地球環境を、科学的根拠に基づき詳細に分析したものである。*1 地球温暖化は記録的な速度で進行しており、大気中の温室効果ガス濃度は過去80万年間で最高レベルに達した。海洋熱、海面上昇、海洋酸性化、氷河や海氷の減少といった主要な気候指標のすべてが、異常を示す方向に振れている。極端気象による人的・経済的損失も過 ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2025/3/23

SBTIがネットゼロ基準2.0を発表

サイエンス・ベースト・ターゲット・イニシアティブ(SBTi)は今週18日、待望のネット・ゼロ基準の更新案を発表した。この基準案は、2025年6月1日までパブリック・コンサルテーションが行われ、2026年に最終決定される予定である。*1 企業は2027年にネットゼロ基準のバージョン2(V2)の使用を開始できる。それまでの間、企業は既存の基準で目標を設定することができ、5年間または2030年末までのいずれか早いほうの期間、V2基準を使用することができる。既存のルール上ネットゼロの目標設定を目指すことを公表して ...

© 2025 ThinkESG