ESG投資
英国政府は、カーボンクレジットの使用に関する新たな原則とガイドラインを提案し、意見募集を開始した。本記事では、英国政府の方針を中心に、企業の脱炭素への取り組みを評価する最新動向を詳しく紹介する。
英国政府、カーボンクレジット使用に関する6つの原則を提案
英国政府は、企業やその他の組織がカーボンクレジットを利用して気候変動戦略を推進する方法に関する原則とガイドラインの意見募集を4月17日に開始した。*1
昨年11月、政府は企業によるカーボンおよびネイチャークレジットの活用に「明確で適切な役割」があると認めたうえで、市場の信頼性に関する懸念も指摘していた。*2
提案された6つの原則は以下のとおりである。
- バリューチェーン内での排出削減努力に加えた上でのみクレジットを使用する
- 高い信頼性を持つクレジットを使用する
- クレジット使用を開示する
- クレジット使用を長期戦略に組み込む
- クレジット使用に関して正確な主張を行う
- 他のクレジット購入者や組織と協力し、市場拡大と公平なアクセス促進に貢献する
この意見募集は2025年7月10日まで実施される予定である。*3
募集の背景にある政府の狙い
英国のエネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)は、この取り組みの目的について「市場における信頼構築が、気候変動対策の実効性を高め、持続的な環境改善を促進する鍵である」と強調している。
同国気候担当大臣ケリー・マッカーシー氏は、「カーボンおよびネイチャーマーケットへの信頼構築は、持続的な環境改善を推進するうえで極めて重要」と述べ、英国がグリーンファイナンスとカーボン市場の世界的中心地を目指していることを強調した。
また、今回の原則案は、VCMI(ボランタリー・カーボン・マーケット・インテグリティ・イニシアティブ)、ICVCM(自主的市場市場インテグリティ評議会)、SBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアティブ)など、国際的な枠組みとの整合性も意識して設計されている。
具体的な原則内容と新たなルール案
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