経済

英大手銀行バークレイズは、新規の石油・ガス開発プロジェクトへの直接融資を終了し、エネルギー部門の顧客に対し、来年初めまでに移行計画または脱炭素戦略を策定するよう求める。

バークレイズは、2030年までに1兆ドル(約150兆円)のサステナブルおよびトランジション・ファイナンスを提供するという目標達成に向けた取り組みの一環として、新しいエネルギー方針と並行して、高排出セクターを脱炭素化するためのファイナンスを「トランジション(移行)」と分類するための基準の概要を示す、新しいトランジション・ファイナンスの枠組みも発表した。

投資家から化石燃料への融資制限を迫られる欧州の銀行

HSBC、BNPパリバ、クレディ・アグリコル、ソシエテ・ジェネラルも同様の方針を発表している。HSBCが2022年12月に方針を発表した後、他の各銀行は、ShareActionなどのアクティビスト投資家が主導し、1兆5,000億ドル(約220兆円)以上の資産を運用する他の責任投資家も加わったキャンペーンで標的にされ、今年中に新たな石油・ガス田への融資を終了することを約束するよう求められた。バークレイズと関わった投資家の中には、英国南東部の8つの顧客基金に代わって投資を行っている350億ポンド(約6600億円)規模の地方政府年金基金であるブルネルもいた。ブルネルは、バークレイズの今年の年次総会の決議案を共同で提出し、化石燃料産業への融資を縮小するよう要請した。バークレイズが投資家の圧力を受けた理由は、2015年にパリ協定が導入された後、2016年から2022年の間に化石燃料関連企業に欧州銀行最大となる1,905億ドル(約28兆円)の融資を行ったと言われているからだ。

バークレイズはまた、2023年の年次総会で多くの株主から質問を受け、新規の石油・ガス開発プロジェクトへの融資を中止すること、顧客の気候変動移行計画を評価する同行の計画について詳細を説明するよう求められた。気候変動に関する新たなコミットメントを発表した声明の中で、バークレイズは、新たな方針を伝えるにあたり、他の利害関係者とともに投資家ステークホルダーとの対話が背景にあったと認めた。

バークレイズの気候変動に関する新方針

新方針は、バークレイズのエネルギー部門の顧客に対し、一連の制限と期待を導入するもので、これには、上流の石油・ガス拡張プロジェクトや関連インフラに対するプロジェクト・ファイナンスやその他のエネルギー顧客向け直接融資の終了、拡張に重点を置いた石油・ガス設備投資計画の10%を超える新規顧客への融資の中止などが含まれる。また、2025年までの移行・脱炭素化戦略に加え、

ここから先は「ThinkESG プレミアム」会員限定の
コンテンツです。

4つの特典が受けられる「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」の詳細についてはこちらをご覧ください

「ThinkESG プレミアム会員(1ヶ月定期購読)」へはこちらからお申し込みいただけます

「ThinkESG プレミアム」会員の方はログインしてください。

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2024/2/12

バークレイズ銀行、新規石油・ガス開発事業への融資を終了

英大手銀行バークレイズは、新規の石油・ガス開発プロジェクトへの直接融資を終了し、エネルギー部門の顧客に対し、来年初めまでに移行計画または脱炭素戦略を策定するよう求める。 バークレイズは、2030年までに1兆ドル(約150兆円)のサステナブルおよびトランジション・ファイナンスを提供するという目標達成に向けた取り組みの一環として、新しいエネルギー方針と並行して、高排出セクターを脱炭素化するためのファイナンスを「トランジション(移行)」と分類するための基準の概要を示す、新しいトランジション・ファイナンスの枠組み ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2024/2/9

EU委員会、2040年までに温室効果ガス90%削減を勧告

欧州委員会(EC)は、欧州連合(EU)を2050年までにカーボンニュートラルにするという合意目標を達成するため、2040年までに温室効果ガス排出量を1990年比で90%削減するという新たな気候変動目標を設定するよう、欧州議会に勧告した。 日本にたとえるなら「ヨーロッパの霞が関」と言えるECは、2月6日、EUのカーボンニュートラル目標達成に向けた可能な道筋に関する詳細な影響評価を発表し、この影響評価に基づき、欧州委員会は、今年6月に予定されている欧州選挙後の次回委員会までに立法案をまとめることを目指し、利害 ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2024/2/4

脱炭素バリューチェーン、30 年までに 5~10 兆ドルの投資機会

気候変動対策への設備投資額は過去最高を記録しているが、今世紀半ばまでに世界の温室効果ガス排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)にするために必要な額にはまだ満たない。脱炭素分野への投資の拡大が期待される中、シンガポールの政府系投資ファンドGICは、さまざまな脱炭素技術から期待される投資価値の増分を分析する新たなフレームワークを開発した。 GICの調査によると、気候変動ソリューションのサプライチェーンは、2030年までに5兆~11兆ドル(約740〜1600兆円)の追加投資価値をもたらす可能性があり、2050年までにネ ...

ESGニュース ThinkESGプレミアム会員限定

2024/2/21

2024年に直面する緊迫の課題

世界経済フォーラムは1月10日に「グローバル・リスク報告書2024」を発表した。*1 報告書は急速な技術革新、経済の不確実性、気候変動、紛争などを背景に、今後10年間に世界のあらゆる地域の人々が直面する、これらの最も差し迫った課題を示している。この調査結果は、学術界、企業、政府、国際社会、市民社会から約1500人の世界的な専門家の見識を集めたフォーラムの「グローバル・リスク認識調査(Global Risks Perception Survey)」に基づいている。*2 重要な発見 報告書は、世界が「気候変動 ...

© 2024 ThinkESG